僕の声に気付かなかったはずはない。

しかしそのまま立ち去ったという事はやはり気恥ずかしさに耐えかねての事だろうか。


その点では僕も負けていない。

ここで僕は一つのミスを犯した。声を出すのは人間誰でもできる。

しかしすれ違ってからも彼女の事を見続けていなければ声は出せないのだ。

この事に彼女が気付いていないことを願う。
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