ダイヤ・・・ダイヤ。まだ考えていた。
横殴りの雪たちが電車の窓に映る。一体この雪はどこから来るのだろう。それはきっとこの先にあまりにも悲しい想いをした女性がレールの上で座っているに違いない。黒髪は片眼だけを隠し、その手は自らの服を掴み震えている。
姫。
その声は狂おしいほどに響き渡ろうとしている。
そして声はそのまま形を持ち、冷たさを持ち、雪になった。


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