は?

僕は彼女の話題を遮る形でようやく言葉のようなものを発した。

しかも僕が遮った話題は格好の話しやすい話題だ。もちろん彼女が滑るのをばっちり見た。いくらでもべらべら喋ってみせる。

だけどはぁあああ目的?達成?なぜ敬語??

「え?え?は、はい」

彼女は戸惑いながらも立ち止まり僕を真っ直ぐ見た。

「土田って知ってる?」

目をパチリとして西は答えた。

「あ、え、うん。同じアルバム委員だよ」

少し僕は彼女を貫くように奥を見るようにして聞いた。

「あいつのことどう思う?」

風が吹いた。彼女の髪はなびいて口にひっかかっている。

気のせいかもわからないが目が少し細くなったみたいだ。
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