「土田君?どうして?」

もうわかってるくせに。僕はそう言いたかった。

どう思う?なんてこんなに改まって聞かれたらその質問の真意は決まっている。

「いや、なんかさ実はあいつさぁ・・・」

「何?」

「気になってるらしいんだって。西さんのこと」

今では苦しさの色も見える。

しかし次の彼女の言葉を聞いてそれは一瞬にして晴れた。

「え!ほんとに?」

一瞬涼しくなったがすぐに誰でも入っていける南国の空気になった。

僕の頭もようやく働き出す。

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