君の全てが欲しいんだ
うん、……。
やっぱり、優しいんだよね。
あの性格さえなければ、イケメンだし、いうことないんだけどなあ。
そういえば私、――――。
未来くんち、行ったことなかったな。
「ねえ、そういえばお互いの家、行ったことなかったよね。」
「そういえば、そうだね。」
そっか。私たちって、何にも知らないまま別れちゃったんだね…。
「有紗、最近はどうなの?」
「もう、レポート提出するのに精いっぱい。課題が多いんだもん、あの教授。
今日も帰ったら、やらなきゃ。
全然終わりそうにないんだもん。未来くん、助けてよ。」
「あははっ。有紗って付き合ってる時から計画性がなかったよね。」
「ひどーい。」
付き合ってた頃より、話が弾んだりするから不思議だよね。
この時はね、――――。
ヨリ、戻してもいっかなー、なんて。
そんなことまで、思っていたんだ。