君の全てが欲しいんだ
「…ごめん、ね。」
お互い気まずいというか…、ちょっと微妙な空気に、苦笑する。
「え、あの、…それはもう、…イイです…。
ご迷惑をおかけしたのは、私の方だし…。
濡れたままベッドにっていうのもね、…申し訳ないし…。
これはもう、不可抗力というか。
そっ、事故だよ、事故。
えっと、出来れば未来くんも…。
…忘れてくれると、嬉しいけど…。」
「……事故、か…。」
「そうそう、事故ね。」
ははは、と愛想笑いで誤魔化しながら、私は未来くんへと近付いた。
「あれ、…。未来くん、目が…。」
隣に座って、気が付いた。
アンバー、っていうの?
普段の瞳の色とは全く違う、トパーズ色の瞳に惹きつけられる。
「ああ、いつもはカラコンなんだよ。
僕、色素が薄くてね。
黒のカラコン、してるんだ。」
「ハーフ、とか…?」
「クオーター。ばあちゃんがね、向こうなの。」