君の全てが欲しいんだ



「いっそのこと、一緒に住んじゃおうよ。」



名案だと、思ったんだ。



「そしたら、いつも一緒にいれるだろ?」



そう告げた僕に、有紗は



「別れよう。」



たった、ひと言。



視線も合わさずに、言い放った。



「何、言ってんの?」



ぐらりと揺れた天井。



「もう、別れたいの。」


「え、―――。ちょっと待ってよ。」


「そういうの、嫌なの。」


「はっ??」


「気持ち悪いのよ、未来君。」



僕を奈落の底に突き落とした、有紗。


その笑顔は、僕のもの、なのに。


わかってないな。


君はもう、僕のもの、なんだよ?


君の方から、僕にすり寄ってきたんだから、ね。


そんなの、――――。


許せるわけないじゃんか。




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