シーソーゲーム
 自分は自分の人生の主人公であるのだから当たり前で、常識だなんてことはどうでもいいが、実はその神も人間であるから、もちろん死ぬ。当たり前だが、不老不死のかぐや姫なんてのはいない。そして死んだ神はまた人間へと受け継がれ、その受け継がれ方は不思議で、この世に住む人間の誰かに、なんとランダムで選ばれるのだ。その人間は自分が神だなんて気付かない。気付いた時にはもう死の瀬戸際にいる。知られていないという要因はもしかしたらこれなのかもしれない。

 神は永遠ではなく、人間の姿をしている。それが本来の、人間の姿であるならばの宿命ではあるが、偶像崇拝などの神は人間ではない。信じた人の中の像であり、それが存在であり、人間の姿をしている。

 ここでもう、難しい話はなしにしよう。簡単に言えば、神は存在し、この世界のどこかで生きている。そして死んだら、ランダムで選ばれた人にその神の権限的なものが受け渡される。その神が世界を統治し、まとめている。

 そんなことで世界はまとめられているが、一番初めに言ったように、世界は毎日変化を遂げ、進化と退化を繰り返している。つまりまるでシーソーのようにギッタンバッタンと音を立てながら、あっちへこっちへと傾いている。世界がいつまでも均衡であるなんてありえない。時間が流れると、世界は動く。それは当たり前のように見えて、当たり前ではない。誰かが常に動かして、動かさないと世界は崩壊と言ってもいいほどに追い込まれ、いつしかは壊滅する。毎日そんな状況に追い込まれているのにも知らずに、もしかしたら今いる世界も新たに作りかえられた世界なのかもしれないのに、のんびりと暮らしている。何回も作り変えて、やっとこの世界に落ち着いたのかもしれない。
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