シーソーゲーム
 これから綴る文字の組み合わせは、まったくもってふざけているつもりは少しもない。初めも言ったとおり、これは事実であるのだからしょうがないのだ。

 それはそれでこの話は、俺のごく平凡すぎる平凡な生活をいつもように暮らしていた俺なのだが、突然ある一年だけ百八十度変えた話である。あの時は本当に天地がひっくり返ったかと思ったが、今ではすべてを鵜呑みにできる。

 それはすべて、昔からの幼馴染が原因である。奴がいなければ、こんな破目にならずに済んだのに、しかしいなかったらいなかったで、面白いことは何もなかったと思う。

 そして始まる。たった一年だけだが、俺たちの小冒険の予感なんて、その時は何の微塵さえも感じなかった。それは運命で、もう引き返せない一本の綱渡りをたどらなければならないことなら、いっそ死んでしまいたいと思ってしまう。これから苦しいことが起こるかもしれない。しかし渡らなくていいことならば、逆に渡りたくなってしまう。

 それは俺の人生の分岐点であり、一つの句読点であり、一段階の人生の終わりであり、そして同時に人生の始まりでもあった。
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