シーソーゲーム
「そうそう、それそれ。すごい偶然が重なってるよね」
アズサは相変わらず元気だ。春休みで十分に含蓄したかのように思える。
ここで一応、自己紹介をしておこう。名前は滝川梓。通称アズサ。元気いっぱいの女子で、決して裏を出そうとしない。幼稚園からの付き合いで、近所の家に住んでいる。もちろん幼馴染といえる。自分のやりたいことをまっすぐ突き通そうとする性格で、そこを理解するのはやや困惑することもある。そこが欠点であり、長所でもあるといえよう。俺たちと付き合っていたということもあって、少々男勝りであった。成績は中の上、運動は上の中と、ほぼパーフェクトなやつだ。中学の頃、俺にはそうは思えないが、魅力的だということで男子からモテていた。高一の頃とは打って変わって、だいぶ体のほうにも変化が遂げていた。腰は細くなり、足は長くなった。スタイルは素晴らしいほど恵まれていた。そんなことから中学の頃から継続して、今に至っても男子からの人気は健在であった。
「まあ、この一年、よろしく」
そう言うとアズサは今日一番のスマイルを見せた。
そしてしばらく俺たちは話していた。クラスの席はだんだんと埋まり、会話は広がっていった。すると一つだけ空席だということに気付いた。
「なあ、お前の後ろの席、誰だ」
「俺に聞いたって分からねえよ」
その後、どんな人がそこに座るのかを話していた。何も話すことがないのが本当の理由だ。春休みのことを話したって、互いに大変だったなどで終わってしまうが、俺たちの場合は春休みでもよく会っていたりしていた。話すことがないのが、今の俺たちの現実である。
アズサは相変わらず元気だ。春休みで十分に含蓄したかのように思える。
ここで一応、自己紹介をしておこう。名前は滝川梓。通称アズサ。元気いっぱいの女子で、決して裏を出そうとしない。幼稚園からの付き合いで、近所の家に住んでいる。もちろん幼馴染といえる。自分のやりたいことをまっすぐ突き通そうとする性格で、そこを理解するのはやや困惑することもある。そこが欠点であり、長所でもあるといえよう。俺たちと付き合っていたということもあって、少々男勝りであった。成績は中の上、運動は上の中と、ほぼパーフェクトなやつだ。中学の頃、俺にはそうは思えないが、魅力的だということで男子からモテていた。高一の頃とは打って変わって、だいぶ体のほうにも変化が遂げていた。腰は細くなり、足は長くなった。スタイルは素晴らしいほど恵まれていた。そんなことから中学の頃から継続して、今に至っても男子からの人気は健在であった。
「まあ、この一年、よろしく」
そう言うとアズサは今日一番のスマイルを見せた。
そしてしばらく俺たちは話していた。クラスの席はだんだんと埋まり、会話は広がっていった。すると一つだけ空席だということに気付いた。
「なあ、お前の後ろの席、誰だ」
「俺に聞いたって分からねえよ」
その後、どんな人がそこに座るのかを話していた。何も話すことがないのが本当の理由だ。春休みのことを話したって、互いに大変だったなどで終わってしまうが、俺たちの場合は春休みでもよく会っていたりしていた。話すことがないのが、今の俺たちの現実である。