blue moon
「ちょっと話しよ」

優しくお願いするように誘ってみた。

「何の話?」

まだ動揺は
顔に出ている。

このままだと
電車に乗ってしまう。

そう思い
むりやり手を引っぱり
ホームにあるベンチに
連れていった。


「リカちゃん。
ごめんね」

最初にあやまった。

「なにが??」

ツンケンした言い方だけど
話をしてくれる気には
なったようだった。


「今までイヤって言えずに
リカちゃんに合わせてたの」

「知ってる」

目も合わさずに
まだツンケンしている。

「さっきリカちゃんの電話
聞いちゃったの」

リカちゃんは
やっぱり
って顔で
やっとコッチを見てくれた。
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