blue moon
一番楽しい時代を
刑務所の中で過ごしてしまった青夜。

思い出を作る事なんか
なかったんだ。

もちろん
自業自得だ。

でもアタシは
青夜の言う

"普通の思い出"

を作ってあげたい。


特別なモノはいらない。

特別な所へも行かない。

それでも
二人でいられるだけで

"普通"は
"特別"になる。



「寒いー!!」

青夜は背中を丸めて
チョコマカ動きだした。

「ムードぶち壊し…」

アタシは
青夜を軽くにらんだ。

「でも楽しいやろ?」

ニカッと
笑いながら言われて

「ハイハイ。楽しいよ」

と笑い返した。
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