blue moon
「消せるシコリは
消したほうがええで」

青夜は
優しく言った。

「消せるかわからない」

アタシは
少しふてくされた。

「乃亜は
ちゃんと自分の考えや
不満を言うたんか?」

「言ってない」

おばちゃんだけでなく
青夜にまで
責められているような気になってしまった。

「何もしないうちから
あきらめる子って
俺キライやわ」

キライと言ったが
顔は笑っている。


怖がって前に進めなかったアタシの背中を
青夜はポンっとおしてくれた。


「じゃあ一回帰って
会ってくる」

うつむきながら
青夜につげた。

「イヤイヤ行くんか?」

自分の意見をおしつけたかもしれない
と気にして
きいたのだろう。

だからアタシは

「気合い満タン!!」


と顔を上げた。
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