blue moon
「お姉ちゃん。
めんどうくさいけど
駅まで送っていてあげようか?」

璃乃の
女王様口調は
あいかわらずだ。

姉妹で歩くなんて
いつぐらいぶりだろう?

「璃乃。
生活キツイの?」

アタシは
璃乃がお金を借りた理由も
返さない理由も分かり
冷たくしてしまったのを気にしていた。


「キツイ時もあるけど
おばちゃんも
良くしてくれるし
何とかなるでしょ」

この子が
こうゆう性格だから
今までやってこれたのだろう。

アタシは
サイフをあけて
五万円を璃乃に差し出した。

そのお札を見て

「お姉ちゃんも
キツイんでしょ?」

気をつかってきた。

「この前は
貸してよって言ってきたくせに」

笑いながら璃乃にお金をおしつけた。

「お金がナイ時って
イライラしちゃうんだよね。
だから電話した時に
あんな言い方になっちゃってたの」

毎回
よほど切羽詰まって
連絡をしてきていたのだろう。
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