blue moon
「もういいから
早く受け取ってよ」

さすがに
このお金をまたサイフにしまうなんて
カッコ悪い事は
できない。

「じゃあ
ありがたくもらいます」

やっと
受け取ってくれた。


「アタシ
璃乃のこと好きじゃなかったけど
大人になったじゃん」

今は好きだよ
とは
はずかしくてクチにできずホメ言葉を使った。


生まれて初めて
家族と別れるのを
寂しいと思った。


帰ってきて
良かったと思った。

アタシの中にあった
キズやイヤなモノが
スーッとなくなるのが
わかった。
< 140 / 202 >

この作品をシェア

pagetop