blue moon
車内が重い空気になったような気がして

「まぁ〜そんな感じで
一人で生きてます」

と明るく言ってみた。

「そうなんや。
いつも明るいから、そんな風には全然見えへん。話してくれてありがとうな」


その一言は、アタシの心にしみてきた。

心を許した相手にこの話をしたら
たいていの人は
こう言う。

「どんな親でも、親なんだから」

「親は大切にしろ」

誰ひとり
苦労を重ねた子供の気持ちなんて分かろうとしない。

もちろん親は親だ。

でも、親だからこそ
許せない事もある。

アタシの事情そっちのけで説教ばかりする人たちの中
青夜だけは少しちがう
言葉をくれた。
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