blue moon
「会うの二回目で
こんな話したのって
青夜が初めてだよ」

笑いながら言ってみた。
本当に初めてだった。

心を許して深い話をする相手なんて
そうそういるものじゃない。

「次は青夜の告白話だよ」
アタシは冗談まじりで
青夜に話をふった。

「オレの番?」

「そうだよ。何かあるでしょ?」

アタシの中では
青夜のハズカシイ失敗談なんかを聞いて
笑うつもりでいた。

青夜は一瞬ダマった後

「オレの話聞いたら
引くかも」

と言った。

「引かないよ」

この歳だし
少々の事じゃ引いたりしない。

赤信号でとまってる間
青夜は
アタシと信号を交互に
みている。

そんなに
引くような話なんだろうか?

そこまで言うのを
ためらっていると
余計に聞きたくなってしまう。

信号が青に変わった時

「あのな、オレ…」

青夜がクチを開いた。
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