blue moon
気をつかわせて悪い
と思い

「元気になってきた」

と笑顔を見せた。

ムリしてることに
気づいたリカちゃんは

「ムリせんでええよ」

とまた気をつかってくれた。

アタシが食べ終わるのを見届け

「ほんなら帰るわ」

とリカちゃんは
帰ろうとしている。

「仕事のことは気にせんでええから。
アタシが乃亜のぶんも
働くし」

その優しさにまた涙が出そうになった。


誰かといると
少しだけ元気になれた気がしたが
一人になると
胸の奥が
ギューッと
しめつけられる。

また泣きそうになった時に
テーブルの上においたままにしていた
青夜の愛車のカギが
目についた。
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