blue moon
「俺な乃亜に会って
運命信じてるし
また絶対に逢おうな」

イヤだ。

"また"
なんてイヤだ。


一緒にいられなきゃ
イヤだ。


アタシの声は
青夜に聞こえないみたいだが

「青夜ー!!」

とノドがつぶれそうなくらい
大きな声で呼んだ。

そうすると

やっとアタシに気づき
コッチを見てくれた。


ニカッと笑うと
青夜は消えた。





パッと目をあけた。

青夜の毛布は
涙でぬれている。

夢なのに
リアルだった。

外に目をやると
もう
陽が出ている。

会社に行くため
人が歩いている。

朝がきた。

青夜の葬儀に行かなくてはいけない。

アタシは
パチンとホッペを
たたいた。

「気合い入れるから」

自分に言い聞かせながらも
青夜に
聞いていてもらいたかった。

急いで部屋にもどり
クローゼットをあけ
喪服を取り出した。
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