blue moon
到着して
車をおりたのは
青夜の地元の駅だった。

朝の通勤時間帯も終わり駅前は
買い物へ行くらしい
主婦の姿しか
なかった。

「コッチコッチ」

アタシがキョロキョロしていると
リュウ君が手招きした。

リュウ君とキミ君の後ろをついて行き

「入って」

と言われたのは
喫茶店だった。

中に入ると
青夜の友達や同級生。
後輩たちがいた。


店を貸し切ったかのように
ほかに客はいない。


店内は人でいっぱいなのに
暗い雰囲気が
ただよっている。


電気もうす暗く
雰囲気も暗い店内を
見渡してみた。

いつか居酒屋の前で
ケンカを始めた二人も
となり同士に座り
コーヒーを飲んでいる。

リュウ君がソファーに
座りコーヒーを注文したあと

「みんなほとんど寝てへん。
あの夜から
何となく集まっては
一緒におる」

それだけ告げた。

アタシだけじゃない。

みんな
青夜がいなくなって
ツラいんだ。

こんな場面を見て
青夜はどう思うだろう?

もし青夜なら
どうするだろう?

相談相手の青夜は
もういない。

自分で考え
自分で行動しなくては
いけない。
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