blue moon
「あのね…」

それほど大きな声ではなかったが
店内が静かだったから
アタシの声は
ひびいた。

「昨日の夜と言うか
今朝と言うか
青夜に会ったんだ」

その話に
みんなは顔を上げ
アタシを見てくれた。

「メソメソしてたら
青夜にね
気合いは??
って怒られちゃった」

夢でのことを
思い出しながら話を続けた。

「今のみんなを青夜が見たら
きっと怒るよ」

みんなに元気を出してほしかった。

青夜が大切にしてきた
この子たちには
笑っていてほしかった。

「青夜ね
運命を信じるから
また逢おうなって言ってたよ。
みんなも
また青夜に逢った時に
そんな顔してたら
シバかれるよ」

青夜のマネをして
ニカッと笑った。

夢の話だが
笑いとばす子は
一人もいなかった。

「アイツに
どつかれたらホンマに
痛いもんな」

リュウ君も
話にのってきてくれた。

「シバかれたくないから元気になります」

「俺も!!」

みんな
少しずつ元気をとりもどしてくれた。
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