blue moon
「ん!?乃亜ちゃんて
地元の人ちゃうよな?
関西弁ちゃうもんな」


青夜は窓からさらに体をのりだし
興味津々できいてきた。

「うん。横浜出身。」

「関東の言葉ってムッチャかわいいなぁ」

青夜の興味をさらにわき立ててしまったらしい。

「あのーもう帰りたいんですけど…」

アタシは本気で困りはてた。

「ほんなら連絡先教えてくれたら帰したるわ」

かかって来ても出なきゃいい。

着信拒否と言う便利な機能も付いている。

この場を切り抜けたかったアタシは
電話番号を教えてしまった。

「この番号って本当?」

青夜は案外うたぐり深い性格のようだ。

「じゃ、今からかけるから俺の番号も登録しといてな」

青夜はアタシの電話を
一回だけ鳴らした。

「ホンマもんの
番号や!!」

ちゃんと本当の番号だった事に満足したのか
青夜はゴキゲンな様子で帰って行った。
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