blue moon

仕事が終わり
急いで帰宅した。

めんどうだと思っていても
気合いを入れて
オシャレをしてしまう。

家の前まで
男の子の車で迎えに来てくれるから
アタシは
マンションの下へ
おりて行った。


月末と週末とが重なり
何だか交通量も多い。

街がザワザワしてるのがわかる。


家の前で待っていると
車が二台
アタシの目の前で
停車した。

予定時間より
ほんの少し早い。

"バタン！！"

一台の車からおりてきたのはリカちゃん。

｢車二台で来たから
乃亜はアッチ乗って｣

リカちゃんが
もう一台の車を指さした。

リカちゃんとアタシが
その車を見ていると
運転席から
男の子が一人出てきた。

｢はじめまして｣

アタシが
ていねいにアイサツをしているのに

その子は
ペコッと頭を下げる
しぐさをしただけ。

夜なのにサングラスを
かけたままの
軽そうな男だ。


｢おじゃまします｣

アタシはそう言いながら初対面の男の助手席に
乗った。