blue moon
家に着く直前
アタシは携帯電話を出し電話をかけた。

「はいはーい」

「青夜?何してるの?」

自分の気持ちに気づいたアタシは
いつもより優しいしゃべり方をした。


「今な、みんなと一緒」

多分まだ
コンビニの駐車場から移動していないんだろう。

「青夜の声が聞きたくなっただけ」

いつもなら絶対に
言わないような事を
言ってみた。

「声くらい
いくらでも聞いてや」

少し照れながら言った。

「青夜はいつも友達と
一緒にいて
いつアタシと遊んでくれるの?」

自分から青夜を誘うなんて初めてだった。

「えーっ!!
今日の乃亜、何か変」

そう言われるのは
当たり前だ。


「今日が土曜日だから…アタシね、今度の水曜
休みなの」

「ほんなら火曜の夜に
会おうか?」

「うん。火曜ね」

会う約束をした時には
玄関のカギをあけ
部屋に入っていた。
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