blue moon
「もしもし」

「うわぁ〜!!出た」

お化けでも出たかの
ように驚く青夜に思わず笑ってしまった。

「なんで出てくれたん?」

「なんとなく」

自宅がバレてるわけでもないし
電話だから少々強気な態度。

「電話に出てくれただけでうれしいわ」

本音かどうかは全くわからないけど
イヤな気分はしない。

「今、何してたん?」

「仕事から帰ってきたばっかりだよ」

「おつかれさーん。
俺は今、友達といる」

電話のむこうが少し騒がしいのは
そのせいかと気づいた。

「友達といるなら、もう電話きるよ」

ちょっと意地悪っぽく
言ってみた。

「えーっ!!でも、電話でてくれたからいいや。また電話するわ」

アッサリきろうとする事が意外だった。

「じゃあね」

青夜がアッサリきろうとしてるから
アタシもアッサリきるしかない。

「バイバイ」

本当にアッサリきりやがった。

本当はもう少し喋っていたかった。

青夜にたいしての
キョーミではなく
寂しい夜、誰かに相手をしてほしかった。

電話に出たことも
ただのヒマつぶし程度の気持ち。
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