blue moon
"酒を飲まなくてイイ"

という条件で参加したのに、話が違う。

少し離れた席に座っているリカちゃんに
目で合図をした。

でもリカちゃんは
アタシのほうを見ない。
見ないというより
見ようとしない。

ゲームに負けるかは
わからない。

でも、もしも負けて
強い酒を飲まなくては
いけなくなった時。

ジンマシンが出るのを
覚悟で飲むべきか。

それとも空気が
悪くなるかもしれないが

「アルコールは無理」

とハッキリ言うべきか。
みんなが
"キツイ酒"
を待ってる間に
一人で悩んだ。


考えた結果やっぱり…

「ごめんなさい!!
アタシ、アルコールが
ダメだから違うバツゲームにしてほしい!!」

ちょっと大きめの声で
ゲームを提案した
金髪の男の子に言った。
金髪の男の子はアタシの方を見てから、一瞬固まった。

「はぁ!?ほんなら
参加せんでええわ」

その一言で
アタシから目を反らし
隣の女の子と話の続きを始めた。

"キツイ酒"
が来て、みんなはゲームを始めた。

ゲームを楽しんでるみんなは、
いっさいコッチを見ることはない。

もちろん話かけてくれる子もいない。

みんなを見て笑ってるつもりだけど
上手に笑えてない事が
自分でわかった。

いごこちの悪さに
限界をかんじた。

鳴ってもいない携帯電話を開き

「あっ!!急用ができた」
とリカちゃんにウソをついた。

「そうなん。
気つけて帰りや。」

リカちゃんは
チラッとアタシのほうを見た後
すぐに隣の男の子と
話をしていた。
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