blue moon
青夜はCDの音量を少し下げ
話し始めた。


「やっぱり
あれだけ人数がおると
ハバツができて
仲悪いヤツらも
出てくんねんな」


女だけの世界なら
よくある話だ。

みんながみんな仲よく
なんて事はむずかしい。

「男同士でもあるんだね」

「それはあるで。
でも
それも上手くやって
行かなアカンねん」


青夜は
またためいきをつきたそうだ。

「何をしとんねん!!
仲ようせえ!!
って俺がおさえるのは
簡単やけど
チカラでおさえたら
意味ないねん」


青夜は青夜なりに
人間関係に苦労していたのを
この夜はじめて知った。

それでもこの人は
今までいっさいグチらなかった。

アタシだったら
絶対にグチを言っていただろう。


もしもアタシが
青夜の立場なら
アッチつかず
コッチつかずで
見て見ぬフリ
をしていただろう。
< 96 / 202 >

この作品をシェア

pagetop