俺様なアイツのしつけ方。


「ありがとうございましたぁ」


生徒会室から材料を借りた琴羽は、急いで教室に急いだ。

しかし思った以上に物が多く、視界が悪い。

比奈か優も連れてくれば良かった…後悔しつつ階段を登り始める。

…と。


「はい、俺1番乗り-っ!!」

「あ、おい待てよ-っ」

「ズリぃぞ、アキ!!」


男子生徒の声が聞こえた瞬間、衝撃が襲う。

気付いた時には、宙を浮いていて思いきり床に叩きつけられた。

自分の周りにも数人落ちた音がする。


「いったあ…」

「わりぃ、生きてる?!」


お尻を打ち付けて顔をしかめていると、男子生徒の声が降ってきた。


「…なんとか」


目を開けて見上げると、茶髪の男子生徒が見下ろしていた。


「ごめんな、…俺達競争してて」

「ほんとごめん!」

「アキがあんなとっからジャンプすんのがいけないんだろ。ちゃんと階段は気を付けろっつったのに」


男子2人に見つめられ、アキと呼ばれた男子が苦笑する。


「いいじゃんよ、5段くらい」

「「よくねぇよ」」


3人のやりとりに呆気に取られていると、アキと呼ばれた男子が立ち上がって手を差し出してきた。


「ごめんな、立てる?」

「あ、うん…」


そっと手を重ねて立たせてもらう。

後の2人も立ち上がって、散らばった材料を集めてくれた。


「お詫びに送ってくよ。荷物も多いみたいだし」

「え、いいよっ…そんな」


慌てて首を振るが、3人は歩き出したので結局渋々ついていくことになった。











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