俺様なアイツのしつけ方。
自分は小宮に全くといっていい程興味は無いが、小宮の立場を考えたら複雑かもしれないと思った。
琴羽と蓮は、確実に心の距離が縮まってきている。
それが恋愛感情ではないとしても、2人の間にはしっかり絆があって…。
蓮の冷たく閉ざされた心を溶かしたのも琴羽だ。
きっと他の誰かだったら、無理だったのではないかと思う。
蓮は最近しっかり学校に来るようになったし、今の文化祭準備にも琴羽のお陰で馴染むことが出来ている。
少しずつだが、確実に蓮にとって琴羽の存在は大きくなっている。
優はそう感じていた。
だから正直、今の2人に邪魔な存在が現れて欲しくなかったのが本音だ。
「小宮…」
変な誤解なんかすんじゃないわよ。
優は心配そうに蓮の制服を見つめた後、琴羽の作業を手伝いに教室に入っていった。