俺様なアイツのしつけ方。


「琴羽ちゃんとあいつって仲良いよね」

「え?」

「ひっそり学園の有名人になってるみたいだけど」

「あの、ちょっと待って…。あいつって…?」


話題についていけずに、隣に立つ陽斗を見上げる。

陽斗は窓の外を見つめたまま続けた。


「……小宮蓮」

「え…」

「俺、あいつのこと知ってんだ。中学一緒だったし」


そう言って琴羽を見下ろす陽斗の顔はとても優しい表情なのに…なぜだろう、声がとても低くて冷たい。


「そ…、…なんだ…」


陽斗に違和感を感じて、声が小さく漏れた。


「中学の時からあんな風なの?」

「ん?」

「なんか…授業もサボるし、人を寄せ付けないってゆ-か…」

「あ-、うん…昔からあんな」


廊下の窓を開けて、陽斗は肘をついた。


「圧倒的に周りとオーラが違うんだ。俺の苦手なタイプ。涼しい顔して何でもこなしてさ。絶対俺達が馬鹿みたいに騒いでるの冷めた目で眺めて心ん中では馬鹿にしてんだろ-な-って思ってた」

「ふふ…、実はそれ私も入学式の時思った」

「だろ-?! つまんなくてカッコつけてるだけな奴って思ってたんだよな…けど、2年に上がってクラス替えがあってさ」

「まさか…」

「そう、そのまさか。クラスが一緒になったんだって!! しかも俺の前があいつ…」


は-あっと陽斗が盛大にため息をつく。








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