俺様なアイツのしつけ方。


『あ、見て小宮君』

『ホントだぁっ!! や〜ん、今日もカッコいい〜っ!!』

『でもなかなか話しかけられないよね-…』


それまで廊下で陽斗と話していた女子2人が、傍らを通りすぎていった蓮を見て興奮気味に騒ぐ。

蓮の背中をほぼ睨みながら見つめていた陽斗は口を尖らせた。


『ふ-ん…小宮蓮ねぇ…。どこがいいんだか…』

『何よ、あきちゃんってば。ヤキモチ妬かないの-』

『陽斗も十分カッコいいってば』

『いや、妬いてねぇよ』


思わずアハハと笑う女子に冷静にツッコんでしまう陽斗。

それでも笑いが止まらない女子に口を尖らせる。


『でもさぁ、あいつ授業サボるし学校だって遅刻するし愛想ねぇし…あんなんのどこがいいわけ』


すると陽斗の言葉に、2人の女子の笑いが止まった。


『馬鹿ね、授業出てなくても頭いいとこがいいんじゃない』

『ね-っ。涼しい顔してさらっと1位とっちゃうとこがまた堪んないっ!!』

『……は?』


2人の言葉に目が点になる。


(今なんつった…?)


『頭いいって誰が?』

『小宮君に決まってんでしょ!! 他に誰がいんのよ』

『1位…って…』

『だぁかぁらぁ!! 小宮君は学年首席なんだってば!!』


なかなか理解しない陽斗に苛々したのがついに女子が叫ぶ。


『は…はぁぁ?!』







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