俺様なアイツのしつけ方。
━━━…“陽斗”
「蓮、今お前…」
「……んだよ、どうでもよくないんだろ-が」
感動している陽斗を見て、バツが悪そうに呟く蓮。
陽斗はそっと蓮の腕から手を離した。
「やっと離してくれ…━━━」
「俺、お前のこと好きだ!!」
「い゙っ!?」
次の瞬間思いきり抱き着いてきた陽斗を受け止める。
クラスメートも、何の騒ぎだと2人を注目し始めた。
これが蓮がクラスに溶け込んでいく第一歩であり、陽斗と蓮の友情の始まり。
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「へぇ、意外…蓮と陽斗にそんな過去があったなんて…」
陽斗の言葉に、琴羽は口許に手を当てた。
陽斗がそれを見て小さく笑う。
「ははっ、まぁ中学ん時の俺は蓮が大好きで何をするにもずっと蓮にべったりだったってわけ」
「ふふ、なんか想像出来るかも」
陽斗と初めて会った時から、人懐っこい空気を感じとれていた。
だから容易に2人の姿を想像出来る。
「蓮には何でも話せたんだよなぁ。趣味や好きな食べ物、嫌いな先生の愚痴だったり、地味に悩んでた進路の話……あとは、好きな子のこと、とかね」
「そうなんだ」
楽しそうに話してくれる陽斗を見て、琴羽も自然と笑顔になる。