俺様なアイツのしつけ方。
クラスマッチが幕を開け、A組はどの種目も順調に勝ち進んでいた。

そして、午前の部が終了し、ついにバスケも決勝戦が始まろうとしていた。

対戦チームは、AvsB。

蓮vs秋夜である。

笛が鳴り響き、試合が始まった。

両者一歩も譲らず、接戦。

その時、秋夜についていた蓮が飛ばされた。


「おっと、悪いな…蓮。まぁ、安心しな。お前みたいに病院送りにはしないから」

「…っ」


殴りたいのを必死に堪える。

そんな蓮の様子を察してか、秋夜はその後もファールぎりぎりの力で蓮を攻め続けた。


「蓮…」


応援に来ていた琴羽は、両手を握りしめその様子を見守る。

蓮と他のA組の生徒は、一回も一緒に練習をしたことがないのに息がぴったりだった。

ついに残り30秒となった時、トリブルしていた蓮が押されて体勢を崩した。

直後、床についた蓮の手を秋夜が踏みつけた。


「うぁっ…!!」


蓮が痛みに声を漏らす。

しかし、一瞬だったのと秋夜にはボールを追いかけていたから仕方がなかったと見なされ、特にファールにならない。


「蓮!!」


堪えきれず琴羽が叫ぶ。

その声に気づいた蓮が、一瞬琴羽を見た。

視線が絡み合う。





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