俺様なアイツのしつけ方。
黒板に書かれた座席を見て、琴羽は席につく。

琴羽の席は、一番後ろの窓から二番目。

大体の人が既に来ているのだが、琴羽の隣の席の人はまだ来ていなかった。


(小宮蓮(コミヤレン)…か)


書かれている名前を読んでみる。


(どこかで見た様な名前だなぁ…)


何かがひっかかって、しばらく考えているとふいに声をかけられた。


「ね、話そう♪」

「あ、うん♪ 私、夏野琴羽」

「私、田口優」

「三谷比奈だよぅ」


それぞれ自己紹介を終え、アドレスを交換していると比奈が黒板を見て驚いた。


「琴ちゃん、小宮くんの隣なの!?」

「あ、うん。そぉみたい」

「羨ましい!」


比奈の反応を見て、首を傾げていると優が説明してくれた。


「比奈と私は、小宮と同じ中学だったのよ。この子、小宮に惚れててさぁ」

「そぉなんだ」

「うん♪…だってカッコイイし、理事長の息子だし」

「え?」


琴羽は比奈の言葉を聞いて固まった。


「理事長の名前って小宮だったっけ」

「うん。小宮幸平(コミヤユキヒラ)だよ」


それでひっかかっていた原因が分かった。

小宮とは理事長の名前だったのだ。


(理事長の息子ねぇ。きっと頭がよくてしゃきっとした優等生なんだろぉなぁ…)


勝手に想像していると、時間になったのか案内役の先生が来て体育館に誘導された。





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