俺様なアイツのしつけ方。
「なによ」


待ったをかけられた琴羽は不機嫌そぉに蓮を見る。


「お前さ、なんで迷子センターなんていう場所があると思ってんの?」

「迷子になった子を親が迎えに来やすいため?」

「まぁ、そんなカンジ。んで、そいつは今どぉいう状況?」


蓮は、実は自分も迷子センターがあるわけを知らないので適当に相づちをうって話を進める。

ちなみに、“そいつ”とはせなのことだろう。


「…迷子」


琴羽が呟く。


「…だろ?だから…」

「やだやだぁっ!!」


蓮の言葉を遮って琴羽が叫ぶ。


「絶対に私がせな君の親を見つけるの!!」

「…てめ」


あまりの我が儘にキレかけた蓮。

絶対に譲らないという琴羽。

しばし睨み合う2人だったが、あることに気づく。


「…ふぇ…」

「「!?」」


大きな声に驚いたせなが泣きかけていた。


「せ、せな君ごめんねっ!!」

慌てて琴羽があやす。

…が、あまり効果が得られず。


「…こい、琴羽」


それを見ていた蓮は、琴羽を呼んで歩き出した。


「蓮…?」


訳の分からないまま、琴羽が後を追う。







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