俺様なアイツのしつけ方。
着いた場所は、屋台だった。

かき氷やらジュースなどが売られている。


「…蓮、まさか…」

「ガキなんか食べ物であやせばい〜んだよ」

「はぁ!?」


琴羽が唖然とするなか、蓮はせなを抱き上げた。


「ほら、せな」

「?」

「好きな物頼んでいいぞ」


きょとん、とするせなに、得意気に蓮が言った。

子供を食べ物でつる…かなぁり蓮らしい考えだ。


「どれがいい?」


色んな物を見つめるせなに問いかける蓮だが、ある物を手にとりせなに見せる。

「これなんかどぉだ?」


一番安いジュースだった。


(好きな物を頼めって言ったくせに…)


後ろで眺めていた琴羽が胸中でぼやく。

…と、それまでキョロキョロしていたせなが思わぬ行動に出た。


「う〜…」

「あ?」


せなが指差す場所を見た蓮は、固まった。


「…それかよ」


せなが指差したのは、この遊園地限定の食べ物…色の付いた綿菓子だった。

特集な色の付け方からか、値段が少々高くなっている。


「あ〜…俺さぁ、せな」

「?」

「友達からあれはうまくないって聞いてんだよね」


だからさぁ…、となんとか買うのを避けたい蓮が子供相手に本気で嘘を並べる。
…が。


「やっ!!」


せながそれを遮って、やはり綿菓子を指差した。


「ほぉ…」


蓮の頬が引きつる。





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