俺様なアイツのしつけ方。
赤い建物はすぐに分かった。

ドアを開ける。


―――カランカラン…


鈴の音が鳴って、すぐに中にいた職員さんが出てきた。


「こんにちわぁ、どぉなさいました??」

「神谷瀬名くん、連れてきたんですけど」

「せなくん…ですか??」


ちょっと待ってくださいね、と言い残し奥へ消える。

しばらくして、男女を連れて出てきた。


「せなっ!!」


蓮に抱かれている瀬名を見て嬉しそうに微笑む女性。

蓮はその女性に瀬名を引き渡した。


「かぁた…、とぉた…」


2人に向かって手を伸ばす瀬名。

男女は笑い合って、瀬名の頬に触れたり、髪を撫でたりしている。

しばらくして、蓮と琴羽を見た。


「あなたたちが瀬名を助けてくれたのね??」

「はい、まぁ…」


蓮が曖昧な答え方をする。

(どぉせ心の中では、私が勝手に連れてきた…とか思ってるんでしょ)


琴羽は簡単に蓮の気持ちが分かって、頬を膨らました。


「ありがとぉございます」


ぺこり、と男女に頭を下げられ2人も慌てて頭を下げる。


「お名前教えてもらってもいいかしら…??」

「小宮蓮と、こっちは夏野琴羽です」

「小宮…」


蓮の名前を聞いた女性が、反応する。


「あなた、弟さんいないかしら…」

「あ、はい…いますけど」

「えぇ!?」


知らなかった、とばかりに琴羽が叫ぶ。

蓮は慌ててその口を塞いだ。









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