俺様なアイツのしつけ方。
C組の教室で授業の支度をしていた未花はあることに気が付いた。


「あれ…」


いつも鞄につけていたキーホルダーがない。


「やだ…」


慌てて机の中を探ったり、鞄の中を漁ったりしてみたが見つからない。

授業までまだ時間があるため、未花は教室までの道のりを戻ってみることにした。






「ふぁ…」


蓮は欠伸をしつつ、腕時計を見た。

学校まであと少しなのだが、走る気にもならない。

このまま歩いていけば、確実に遅刻だろう。

教室に行ったら、また琴羽に色々言われるな…なんて思っていると、昇降口に到着した。


――パタン


下駄箱の扉を閉め、上履きを履いていると誰かが走ってくる足音が聞こえた。

職員だろうか…。

ここで見つかったら、言い訳が面倒だな…なんて考えて物陰に隠れてみたりする。

しかし、現れた人物は職員ではなく生徒だった。

馬鹿らしくなって、出ようとすると足に何かが当たった。


「……??」


拾い上げてみると、クローバーのキーホルダーだった。

しかし、半分になっている。

ペアのものらしい。

きっとこれは、その片割れだろう。


「あれ-…」


キーホルダーを見つめていると、生徒の声が聞こえてきた。

女子生徒らしい。

何かを探しているようだ。


(…まさか、な)


そう思いつつも、その生徒に近づいた。






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