俺様なアイツのしつけ方。
「もぉ!!なんでないのよぅ…」


もはや半泣きになっている女子生徒の隣にしゃがみこみ、キーホルダーを顔の前に差し出す。


「これ、あんたの…??」

「え…」


一瞬、蓮のことを不審そうに見たがキーホルダーを差し出されれば、ぱぁ…と表情を明るくさせ、それを手にとる。


「わ、私のだ…」

「ふ-ん。見つかって良かったね」


じゃ…、と言って立ち上がる。

予想外のロスを食らったが特に急ぐでもなく歩き出す。

…と。


「ま、待って!!」


背後から呼び止められた。

足を止めて振り替える。


「…なに??」

「あ…、そのっ…ありが、と」

「別に。ただ、落ちてたの拾っただけだし」

「あの…、名前は…」

「小宮蓮」

「小宮…くん…」


淡々と答えると、女子生徒は自分でもう一度繰り返していた。


「じゃね」


さすがにこれ以上遅れると、琴羽が大変なことになりそうなので、相手に背を向け再び歩き出す。

今度は呼び止められなかったので、一安心して息をついた。






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