俺様なアイツのしつけ方。
屋上を後にした蓮は、扉に寄りかかった。


「はぁ…」


――意気地無し


「ちょっと…言い過ぎたか…?」


苦笑しつつそう漏らしながらも、蓮の本心では無かった。


それは琴羽の性格を分かっているからだ。

予想通り、扉の向こうから怒鳴り声が聞こえてきた。


「蓮の馬鹿ッ!! 意気地無しで悪かったわね!!」


琴羽があんな事を言われて泣いて終わるわけがない。

蓮の思惑通り、琴羽は落ち込んでいた気持ちを切り替えたのだ。


「…って、なんで俺がこんなことしてんだよ」


蓮は頭を掻いた。









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