俺様なアイツのしつけ方。
次の日から、琴羽は授業以外教室に姿を見せなくなった。
当然心配するのは、比奈と優だ。
心配のあまり、普段話さない蓮に近付いた。
「こ…小宮くんっ!!」
「あ?」
寝ていた蓮が不機嫌そうに顔を上げると、比奈と優が立っていた。
「何か用…」
「あ、あの…」
冷ややかな声に、思わず優を見つめる比奈。
優が頷くと、一度深呼吸をしてから比奈が口を開いた。
「…琴羽ちゃん…知ってますか…」
「「……」」
恐怖からか、うるうると瞳を潤ませ問いかける比奈。
何か物言いたげな優と蓮の思いはきっと同じだろう。
仕方がないので、蓮は息をついた。
「…いや、知りません」
敬語への敬語返しに、思わず吹き出しそうになる優。
しかし、比奈は必死だった。
「あ、ありがとうございました…っ」
勢いよく頭を下げると、慌てて廊下へと逃げていってしまった。
「なんだぁ…?」
不審げに比奈を見送る蓮に、廊下へ向かいかけた優は足を止めた。
「んで、本当は知ってんでしょ」
「……」
頬杖をつく蓮。
比奈に対して随分と男まさりな優を見上げた。
「まぁな。…今あいつもいっぱいいっぱいだろ-から、しばらく放っておいてやって」
「もしかして、未花ちゃん?」
「……」
黙り込む蓮に優はビンゴ、と笑みを浮かべた。
「前は琴羽と一緒に学校に来てたのに最近一緒にいないから、おかしいなとは思ってたけど…」
「あいつ不器用だからな」
「あんたもね」
は、と訝しげに優を見たが、既に廊下へと駆け去ってしまった。
「女子ってやっぱ分かんねぇ…」
呟いて、何気なく窓を見つめる。
曇り空が広がっていた。
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当然心配するのは、比奈と優だ。
心配のあまり、普段話さない蓮に近付いた。
「こ…小宮くんっ!!」
「あ?」
寝ていた蓮が不機嫌そうに顔を上げると、比奈と優が立っていた。
「何か用…」
「あ、あの…」
冷ややかな声に、思わず優を見つめる比奈。
優が頷くと、一度深呼吸をしてから比奈が口を開いた。
「…琴羽ちゃん…知ってますか…」
「「……」」
恐怖からか、うるうると瞳を潤ませ問いかける比奈。
何か物言いたげな優と蓮の思いはきっと同じだろう。
仕方がないので、蓮は息をついた。
「…いや、知りません」
敬語への敬語返しに、思わず吹き出しそうになる優。
しかし、比奈は必死だった。
「あ、ありがとうございました…っ」
勢いよく頭を下げると、慌てて廊下へと逃げていってしまった。
「なんだぁ…?」
不審げに比奈を見送る蓮に、廊下へ向かいかけた優は足を止めた。
「んで、本当は知ってんでしょ」
「……」
頬杖をつく蓮。
比奈に対して随分と男まさりな優を見上げた。
「まぁな。…今あいつもいっぱいいっぱいだろ-から、しばらく放っておいてやって」
「もしかして、未花ちゃん?」
「……」
黙り込む蓮に優はビンゴ、と笑みを浮かべた。
「前は琴羽と一緒に学校に来てたのに最近一緒にいないから、おかしいなとは思ってたけど…」
「あいつ不器用だからな」
「あんたもね」
は、と訝しげに優を見たが、既に廊下へと駆け去ってしまった。
「女子ってやっぱ分かんねぇ…」
呟いて、何気なく窓を見つめる。
曇り空が広がっていた。
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