俺様なアイツのしつけ方。
「……」


次の日。

昨夜の雨が嘘のように晴れ渡っている青空の下。

未花はまだ開けられていない校門の前に立っていた。


「琴羽…」




もう戻れないのかな…

こんなことなら高校なんか入りたくなかった…




「私はそんなに強くないんだよ…」


小さく呟いて門を掴む。

そのままずるずるとしゃがみこんだ。

手には白い粉が入った袋が握られている。


「戻りたいよぅ…」


次第に涙声になり、頬を涙が伝う。

…と。


「見ぃつけた」

「!!」


いきなり腕を掴まれた。


「いっつ…」


そのまま無理やり立たされる。

痛みに顔を歪ませながら目を開けると、立っていたのは沢柳春也だった。


「春也…さ…」

「駄目ぢゃん。袋手に持ってちゃ」


にっこり微笑んで未花から袋を取り上げる。


「ごめ、なさ…」

「これなんだか分かってるでしょ?」


ポケットに入れながら問いかける春也に、未花は震えながら頷く。


「未花ちゃんが“辛いこと忘れたい”って言うから特別に無料であげたのにさ」

「……っ」


春也の言葉に昨日の出来事がフラッシュバックする。











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