俺様なアイツのしつけ方。
「でも私、クラス違います」

「いーぢゃん、別に。ただの練習なんだし。…それに」


と、男子生徒は言葉を切って蓮を見た。

後ろにいる他の男子生徒もニヤニヤしている。


「蓮がいると練習にならないと思うよ?」

「どぉいう意味ですか?」

「こいつ、中学校のクラスマッチで相手のクラスの生徒をボコボコにして病院送りにしたんだ。まぁ、理事長がただの怪我ってことで揉み消したけどな」

「え?」


男子生徒の言葉に、琴羽は蓮を見つめた。

蓮は琴羽と目を合わせようとしない。


「こいつといても楽しくないだろ?だからさ…」

「こぉら、お前ら!!予鈴はとっくに鳴ったぞ。早く教室に入りなさい」


男子生徒の言葉が、廊下を歩いてきた先生の声で掻き消された。

男子生徒達は、また休み時間に…と行って去っていってしまった。


「蓮…」

「教室入るぞ」


琴羽が声をかけようとしたが、蓮はそれを避けるように教室に入ってしまった。



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