俺様なアイツのしつけ方。
琴羽と蓮はブランコに乗っていた。

時間帯はお昼。

結局学校はサボリだ。


「井上と、よかったな」

「うん。ありがとね、蓮」

「おう」


キィと金属の音が響く。


「あの人とどういう関係なの?」

「…中学の時にちょっとな」

「ふ-ん…」




あの話しは本当なの?




聞きたくても聞けない。

過去の蓮なんかどうでもいい。

今の蓮がいるなら、過程なんてどうでもいいのだ。


「蓮…」

「ん?」

「今のままでいてくれるよね?」

「!!」


自分の言っている意味が分からない。

でもいなくなってしまったらきっと困るだろうから。


「ったりめ-だろ」


くしゃ、と頭を撫でられる。

顔が熱くなる。

変なの。


「よし、このまま遊びに行くか」

「うんっ!!」

「どこ行く?」

「ん-…」


立ち上がって歩きだす。

うきうきの琴羽を見つめながら、蓮は春也の言葉を思い出していた。


――お前だって俺と同じだろ!?


「ボーリングがいいなぁ」


――女なんて所詮そんなもん。




違う。

変われるんだ。




「出来んのかよ」

「出来るもんっ!」


いや、変わってやる。












こいつの笑顔を守るために。













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