俺様なアイツのしつけ方。
琴羽と蓮の間に気まずい空気が漂う中、HRが始まった。

内容はクラスマッチについて。


「誰かサッカーやりたい人いますか?」


学級委員が進行をしていく中、琴羽は先ほどから気になっていることをぶつけてみる。


「さっきの人と蓮ってどぉいう関係なの?」

「…中学の同級生」

「名前は?」

「鳴海秋夜(ナルミシュウヤ)」


質問には答えてくれるのが、視線は窓の外を向いたまま。


「蓮は中学校時代部活何やってたの?」

「バスケ」

「バスケ!?」


琴羽が驚いた声を上げたからか、蓮は不機嫌丸出しで振り返った。


「…なんだよ」

「いや、似合うなぁって」

「は?」


なんだ、こいつ。とでも言いたそうな顔をする蓮に琴羽はある提案を持ちかけた。


「ねぇねぇ、蓮」

「なんだよ、気持ち悪いな」

「気持ち悪いってなによ。…それより、鳴海って奴倒そうとか思わないわけ?」

「はぁ?」

「だって、あんなこと言われて悔しくないの?」

「悔しいって…」

「蓮に何があったとしても、過去の話しでしょ。今は今。勝って、ぎゃふんと言わせようよ」

「……」


琴羽を見つめたまま、蓮が固まってしまった。

だが、しばらくすると明らかに馬鹿にしたような表情になった。


「何言ってんだ、お前」

「え…?」


琴羽はただただ首を傾げるばかりだった。







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