俺様なアイツのしつけ方。
さてと。
蓮も寝たので、琴羽はキッチンへ向い片付けを始めた。
これで蓮も元気になって学校に来れるだろう。
でも…。
「………」
琴羽は、洗い物を始めた手を止めた。
風邪を引いても両親に心配してもらえないなんて…。
ずっと前蓮が呟いた言葉を思い出す。
『忙し過ぎないのは、子供にとっては1番だと思いますよ。出かける時や、帰ってきた時…親がいないのは寂しいですから…』
確かに。
こんな広い家に独りなんて、自分だったら耐えられないだろう。
━…きっとあの言葉は蓮の本心だ。
でも蓮の性格上、寂しくても寂しいなんて言えないのではないか。
「蓮の両親って、どんな人なんだろう」
優や比奈だったら知っているだろうか。
いや、駄目だ。
きっと蓮は、自分の知らないところで詮索されるのをとても嫌がる気がする。
…ん?
「あ」
琴羽は、呟いて慌てて手を洗うと蓮に駆け寄った。