俺様なアイツのしつけ方。
「蓮!!」
「…っ!?」
耳元で叫ばれ、驚いて目を覚ます。
頭に響いて痛さに顔をしかめながら起き上がると、琴羽を睨み付けた。
「いい度胸してんな、お前」
「忘れてた!!」
「……何を」
くあ、と欠伸をして面倒くさそうに問いかける。
「うちのクラスの学級委員長から、頼まれたんだよね」
「学級委員長?」
「もうすぐ文化祭でしょ? うちのクラスホストやるらしいんだけどさあ」
「嫌だ」
「まだ何も言ってないじゃんか!!」
再び横になろうとした蓮の腕を掴んで止める。
「俺にも参加しろっつ-んだろ」
「ま、まあ…」
「嫌だね。俺、文化祭はサボる」
「でも男子はみんなやるから…」
「俺は嫌なんだよ」
「なんで!!」
「………」
ふと、蓮が黙り込む。
琴羽は、いきなり黙り込んだ蓮の顔を覗き込んだ。
「れ、ん…?」
「お前には分かんねえよ」
「は?」
「…てめぇさっきからうっせ-んだよ、さっさと帰れ。うざい」
「………」
すると蓮の腕を掴んでいた力が緩む。
蓮ははっと我に返り、慌てて琴羽を見た。
「あ、わり…」
いつもの癖で乱暴な言葉を使ってしまい、蓮は後悔しつつ琴羽の頭に触れようと手を伸ばす。
…と。
「ほんとあったまくる!!」
「……っ;!!」
突然叫ばれ、胸ぐらを掴まれた。
とにかく驚きで頭が回らない。
琴羽は蓮の胸ぐらを掴んだまま、続けた。