俺様なアイツのしつけ方。
文化祭が近付くと、郷花学園は午後の時間を全て文化祭準備に回してもらえる。
…とゆ-ことで、A組もさっそく準備に取りかかった。
「ねぇねぇ、男子の衣装についてなんだけど!!」
クラスの女子2人が雑誌を手に、声をかける。
わらわらと生徒が集まり出した。
「これなんてどうかなあ?」
「おっ、い-んじゃね!?」
一気に盛り上がる男子。
あっという間に、色々と決まってきた。
…と。
「あ、あの…こ、小宮君!!」
「小宮君はどう思う?」
雑誌を持つ2人組が蓮の席に近付いた。
蓮が気付いて顔だけ向ける。
「これなんだけど…」
「……」
おずおずと雑誌を差し出され、無言でそれを見つめる。
「み、みんなはいいって言うんだけど…小宮君は…」
「…何でもいい。別に俺なんかに聞かなくてもそっちで勝手に決めれば?」
「で、でも小宮君の意見も…」
蓮の突き放すような言葉に、女子生徒の声は次第に小さくなっていく。
━━ボカッ!!
「っで…!!」
いきなり脳天を殴られ、蓮が声を上げる。
さすりながら顔を上げると、琴羽が立っていた。
「アンタってやつわぁ〜…!!」
「んだよ、またお前か」
「なんだよじゃないわよ!! せっかく2人が意見聞いてるんだから、ちゃんと答えなさいよね!!」
「だからっ、俺は興味ないって言っ…!!」
「どれどれ見せて-?」
「おい、聞けや」
言い返そうとする蓮を無視して、女子生徒から雑誌を受けとる。
「結構本格的だね-っ」
「あ、うん…っ!! やるからには頑張りたいんだ」
「このクラスになってクラスマッチ以外にみんなで頑張るのって初めてだから…」
「………」
恥ずかしそうに2人が話すのを見て、蓮が雑誌を琴羽から奪い取った。
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