シンデレラは何ルート?《王子or魔法使い》
機転*°
過去
これは、
とある可愛らしい少女と一国の王子様、
そして魔法使いの少年。
この少年少女たちの遠い昔の物語____
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『あなたなら、どちらのルートを選ぶ?』
__________『私は………。』
「…レラ……………シンデレラ!!」
家中の窓ガラスが割れてしまうんじゃないか、と心配になってしまうほどの甲高い声が今日も私の名前を呼ぶ。
「…おはようございます、お母様。」
「全く、この私がもうすでに起きているというのにあなたはまだ寝ているなんて、いつからそんなに偉くなったのかしら?誰よりも早く起きて朝食の準備をするのがあなたの役目でしょう?」
「申し訳ございません。
今すぐに準備を致します。」
「もう遅いわよ。シンデレラがぐっすり夢を見ている間にお姉様たちが代わりに用意してくれたわ。あなたと違って自ら進んでね。」
「…申し訳ございません。
お姉様たちには本当にいつもご迷惑をおかけするばかりで…」
「あら、自覚はしているのね。私たちがあなたにどれだけ迷惑しているか。あなたがこの家にいる理由は私たちのために働くこと、そのために居させてあげているんだから。忘れてないわよね?」
「はい。本当に申し訳ございません。」
「しっかりしてちょうだい。」
バタン
嵐が去っていった。
「ふぅ…………。」
自然と溜め息が漏れた。
あのマシンガントークには慣れたが、やはり朝からは正直辛い。
何故朝からあんなに声を張り上げて怒鳴れるのか私には理解し難い。
……というか、
「今日、久しぶりに『あの』夢見たな。」
───10年前
大好きな父と母がこの世を去った。
今まで幸せだった日々が、一瞬にして崩れた。
私は叔母の家に養子に貰われたが、2人の姉との差別は酷く、雑用ばかりやらされる毎日。
いつの間にかお母様たちの目を盗んでは、小さい頃お父様たちとよく行っていたお花畑に通うようになった。
そしてある日、
私の運命を変える出来事が起きた______