シンデレラは何ルート?《王子or魔法使い》
ガヤガヤ……………
ワイワイ………………
ウフフ……………
いつにも増して、賑やかな城。
「クリフ王子~。」
「お誕生日おめでとうございますぅ。」
「今日も素敵ですわ。」
「いつ見てもお美しいその瞳っ。」
「見てください、このネックレス。
この日のためにわざわざ隣の国まで行って、買ってきたのですよ。」
「あら、私だって新しいドレスを新調したのよ。華やかでしょう?」
「私の指輪も見てください!」
「このイヤリングも!」
「私も!」「私こそ!」
…いつにも増して、うるさい女性たち。
舞踏会はまだ始まっていないというのに、すでにたくさんの女性たちに囲まれているのだ。
そしていつの間にか彼女たちは自分の自慢合戦。
はぁ…。
頭が痛い。
『どうか?』と聞かれても正直みんな同じに見える。
ここぞとばかりに豪華なドレスや宝石を着飾って、見た目だけにとらわれている。
どんなに綺麗な容姿を持っていても、そうなってしまえば美しくない。
やはり僕は結婚なんて無理だな…そう思っていた時だった。
キィ…
と控えめに扉を開ける音が聞こえ、扉のほうに目を向けた。
_________僕は目を奪われた。